フット・イン・ザ・ドアとドア・イン・ザ・フェイス【心理学マーケティング術】

フット・イン・ザ・ドアドア・イン・ザ・フェイス

どちらもあまりにも有名すぎるマーケティング用語ですね。営業マンをはじめとしたビジネス全般はもちろん、恋愛にも使われる万能な心理学テクニック。

けど、意味は知っていても活用できていますか?

マーケティングや心理学の用語を学んだ時にありがちなのは、意味や用語だけは覚えているけど、実際のビジネスや恋愛には全く活かせていないパターン。

覚えることが目的ではなく、知恵に昇華してはじめて自分の身になります。この記事でフット・イン・ザ・ドアとドア・イン・ザ・フェイスの意味とマーケティングの具体例を紹介します。

目次

フット・イン・ザ・ドアの意味とは

フット・イン・ザ・ドアとは?

小さな要求を繰り返し大きな要求を達成する

セールスマンがドアを閉められる前に足を入れれば勝ち

という営業から発展したテクニックです。


人間は、いきなり大きな要求を突きつけられると拒否したくなる。

でも、簡単な要求のあとに大きな要求をすると通りやすい。という人間心理を利用しており、恋愛でもマーケティングでも幅広く活用できるスキルになっています。


こんな事例があります。

  • A:道行く人に「お金を貸してください」と頼む
  • B:通行人に「今何時ですか?」と聞いて「お金を貸してください」と頼む

どっちも結果は同じだと思いきや、実はBのほうがお金を貸してもらえる確率が高かったと実験で証明されています。


なぜ、差が出たのか?

これは人の一貫性(コミットメント)が原因です。


「今何時ですか?」と聞かれ、それに答えた時点で「私はあなたを助ける気持ちがある」というスタンスを取ったことになります。

だから次に「お金貸して」と言われ、断ってしまうと「あなたを助ける私」という一貫したスタンスが崩れてしまう。だからモヤモヤを感じながらも人はお金を貸してしまうわけですね。


簡単な要求→大きな要求。

これがフット・イン・ザ・ドアの基本です。

フット・イン・ザ・ドアの事例(日常編)

フット・イン・ザ・ドアの活用が上手なのは服屋です。

服屋に行くともれなく店員が寄ってくるわけですが、彼らのトークに付き合っていると高確率で商品を買うことになります。(もちろん、良い服を買うための相談役になるのも事実ですが)

店員

店員

今日は何をお探しですか?
→相手の口からコミットを取る

お客様に似合いそうなものを持ってきましょうか?
→探していると言った手前、断れない

せっかくなので試着してみませんか?
→わざわざ持ってきて貰ったので断れない

試着室から出て鏡の前に立ってみてください
→周囲に姿を見せることにより、外的コミットメントを取る

似合いますね!どうです?お買い求めされますか?
→周囲に姿を見せることにより、外的コミットメントを取る

実際、試着して断るのはかなり勇気がいると思います。

フット・イン・ザ・ドアによるセールスを回避したいのであれば、一番最初の簡単な要求(服屋の例なら「何かお探しですか?」)を勇気を持って断ることが大切です。

フット・イン・ザ・ドアの事例(ビジネス編)

僕がベトナムでぼったくり(未遂)に遭った時の話です。

道端を歩いてるとバイクに乗ったおじさんが「ニホンジン?」と声をかけてきました。

そしていろいろと質問のような雑談を繰り返していたわけですが、うまい具合にフット・イン・ザ・ドアのテクニックを使い、有料のガイドへ誘導してきました。

ぼったくりマン

ぼったくりマン

「ベトナムは初めてか?」
→初めてなら観光スポットも分からないよな

「今日はこれからどうするんだ?」
→暇なら俺のガイドを断る理由はないよな

「じゃあ、俺が案内してやるよ!」
→初めてで一人ならガイドつきで回ったほうがいいだろ?

という流れ。

結局、この時は気合で断ることができましたが、人によってはフット・イン・ザ・ドアでセールスを決められていた可能性は十分にあります。


ポイントは、質問によって相手の買わない理由を潰すこと。すると相手はセールスされた時に断ることができず、高確率で商品を購入してくれます。

ちなみに、ベトナムのバイクタクシーのガイドは「日本人ノート詐欺」として有名です(笑)ベトナム滞在記も書いているのでこちらも読んでみてください。

ベトナムのホーチミンを3週間一人旅&ぼったくりの国へ

ドア・イン・ザ・フェイスの意味とは

今回紹介するもう1つの心理学技術がドア・イン・ザ・フェイス

ザックリですが、フット・イン・ザ・ドアと逆だと思えばOK。

ドア・イン・ザ・フェイス

はじめに大きな要求をして断らせ、そのあと小さな要求をする

こちらも由来は営業マンから。

ドアを開けた瞬間に営業マンが顔を入れてきたら引いてしまいますよね。でも、追い出したことでちょっとした罪悪感ができる。

いったん要求を断らせて罪悪感を植え付け、それを利用して次の要求を承諾させる。言い方は悪いですがこれがドア・イン・ザ・フェイステクニックになります。

ドア・イン・ザ・フェイスの事例(日常編)

ドア・イン・ザ・フェイスを日常で活用するなら、「お願い」する時ですね。

欲しいものがある、何かをしてほしい、何かの許可が欲しい。いずれもドア・イン・ザ・フェイステクニックを活用することで相手に要求を通しやすくなります。

例えば女性が彼氏にバックをおねだりする場合。

店員

店員

誕生日のお祝いにプラダのバック(20~30万)買ってほしいな
→NO。けど断っちゃって申し訳ないな

じゃあ、コーチのバッグ(10万)は?
→高いけど、さっき断ったしそれくらいなら…

当たり前ですが、10万円のバッグって高いです。

けど20万円のプラダのバックは諦めてもらった(譲歩してもらった)ので罪悪感がある。そのモヤモヤを解消するために「10万円のコーチのバックならOK!」と返してしまうわけですね。

ムリすぎる要求は逆効果

今回は20万円のプラダのバッグがいわばオトリだったわけですが、これが明らかに難しそうなエルメスのバッグ(100万円)とかだと、そもそも相手にしてもらえません。

ギリギリ有り得そうなラインを狙うからこそ相手も真剣に悩むし、断ったときの罪悪感も大きくなる。つまり「有り得そうな要求」を断らせるのが効果的なわけですね。

ドア・イン・ザ・フェイスの事例(ビジネス編)

ドア・イン・ザ・フェイスは相手の譲歩を引き出すテクニックです。

ただ、僕のビジネスの場合「値下げして買ってもらう」ことはないので、値段交渉にドア・イン・ザ・フェイステクニックを利用することはありません。

僕の場合は紹介や出演の交渉が多いですね。

僕の新商品をメルマガで紹介してもらえませんか?
→いや、それはちょっと…

それなら、ブログやツイッターで紹介してもらえませんか?
→さっき断ったし、それくらいならいいかな…

もしくは、商品の推薦文を頂けませんか?等。

インフルエンサーや人気youtuberへの紹介依頼。セミナー出演依頼や懇親感へのゲスト参加など、お願いをするときはドア・イン・ザ・フェイステクニックを使う機会が多くなると思います。

マーケティングには反復学習が必須 フット・イン・ザ・ドアをはじめ、マーケティングのテクニックは、その場では「へぇー!そうなのか!」と納得しても、少し時間が経つと忘れてしまいます。 だから大事なのは、一度で覚えようとするのではなく、何度も何度も繰り返し同じテクニックのやり方を学び、そして実践を繰り返していくこと。 特にオススメなのは、通勤前に反復することですね。 僕も利用しているAudible(オーディブル)という”聴く本”があるのですが、聴き流してビジネス書を読めるので、朝の通勤電車でもイヤホンをつけて垂れ流しているだけでインプットできます。 ちなみに、オーディブルの値段は普通の本とほぼ同じ…堀江貴文さんやDaigoさんなどビジネス書で人気の作者の本はもちろん、多数の作品がラインナップされています。 Audibleで通勤中にマーケティングテクニックを学ぶ。 ↓ 仕事で即座に実践し、身になるまで繰り返す これがマーケティング上達のもっとも効率的な手段だと思いますので、ぜひ今日からAudibleを活用してみてください。30日間の無料トライアルがあるので、期間内に解約してしまえば1円もかけずに試せます。

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フット・イン・ザ・ドアとドア・イン・ザ・フェイスの使い分け

2つの心理学効果は理解してもらえたと思います。

ドア・イン・ザ・フェイス

はじめに大きな要求をして断らせ、そのあと小さな要求をする

フット・イン・ザ・ドア

小さな要求を繰り返し大きな要求を達成する

問題は、

結局、フット・イン・ザ・ドアとドア・イン・ザ・フェイスってどう使い分けるの?

ということですよね。

反対のことを言ってるわけですから。こういう心理学効果があるのは理解できるけど、実際にどうマーケティングにおいて使い分ければ良いのか悩むところだと思います。

僕の考える2つのテクニックの使い分けについて。

まずは自分のビジネスモデルによります。

さっきチラッとお話しましたが、僕のビジネスは「値下げして、相手に譲歩して買ってもらう」事はありません。これをやると自分のブランディングが下がってしまうことになるので。

となると必然的に、商品を成約させるためにはドア・イン・ザ・フェイスではなくフット・イン・ザ・ドアを活用することになります。高単価商品に手を出せない人にダウンセルを展開することはありますけどね。

また、相手や交渉の状態についても違ってきます。

例えば「自社の商品を導入してみませんか?」とこちらがすでに依頼している状態で、ドア・イン・ザ・フェイスのように最初から大きな要求をしたら、「話にならん」と相手にしてもらえない可能性があります。

今回だったらどっちのテクニックで攻める?

自分がマーケティングをする時だけではなく、他の人が交渉している時なども自分なりに考えてみると、いざ自分が商品を販売する時などにテクニックを最大限使いこなすことができます。

ハンマーを持つ人にはすべてがクギに見える

テクニックを学ぶのに大事なのは、まず目的意識を明確にすること。 でないと、インプットしても結果が出ないどころか、考えが固まって逆効果になります。

いかに質の高いインプットをして、必要な情報だけを取り入れるか?下記の記事も参考にしてみてください。

「インプットの質を上げる」の真意。効率UPには情報を減らすこと

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