僕はいま29歳で、海外を渡り歩いて生活しています。
特定の国で暮らしているわけではありませんが、アジアからヨーロッパまで数ヶ月単位の滞在を繰り返しており、実質的には海外移住しているようなものです。
そして海外滞在を繰り返すようになって感じたのは、
「20代の若者は、1度は海外に出てみるべき」
ということ。
これは20代しか持っていない特権があるためで、僕自身もっと早く知っていれば…と感じたこともあり、20代こそ海外移住すべき!という根拠をお伝えしていきます。
そして、ぜひこの記事を読んで海外移住を視野に入れてみてください。
目次
20代の若者が持つ海外移住3つの特権
特権1:ワーキングホリデービザが使える 特権2:失うものも、責任もない 特権3:健康な体がある
僕に言わせると「リタイアしてから老後海外で~」なんてのはかなりハイリスク。
病気も増えるし、どの国も物価は上がり続ける(日本を除いて)ので、年金が月数万円入ってくるくらいではとても安心して生活できたものではありません。
けど、20代はその反対。
健康だし、責任もないし、何よりワーキングホリデービザという、他の年代からしてみたら喉から手が出るほどほしい強力な武器を持っています。
この武器を腐らせておくのはあまりにももったいないですし、まずは海外移住の要とも言える「ビザ」の若者特権からお話します。
20代の特権1:ワーホリビザが使える
僕が「20代の海外移住」をオススメする最大の理由はこれ。
そもそも海外移住したい!と思ったとして、外国も無条件で受け入れてくれるほど甘くありません。海外移住にはビザ(滞在許可証)が必須になります。
観光旅行ならビザを気にする必要はありませんが、ビザなし(もしくは取得が簡単な観光ビザ)で滞在できる期間は多くの国で1~3ヶ月程度。日本人に人気のタイも、観光ビザだと最大3ヶ月まで。
カナダなどの一部の国はビザ無しでも6ヶ月間滞在可能だったりしますが、それでも半年。1年間ノービザで滞在できる国はほぼありません。滞在期限を1日でも超えれば”不法滞在”となります。
そして、長期滞在するなら下記のいずれかの条件をクリアする必要があります。
・現地人と結婚する
・現地で就職する
・現地に留学する(語学学校もOK)
これ、めちゃくちゃ難易度が高いと思いませんか?
実際、僕のように「ネット環境とパソコンさえあれば収入はある。旅行の延長感覚で海外に滞在できればいい」という人間にとって、いずれの条件も厳しいものばかりです。
よく海外移住の話になると「英語が…」「お金が…」「仕事が…」と不安が出てきますが、それ以前にビザの問題をクリアしなければ滞在すらできないわけです。
ですが、18~30歳だけにはワーキングホリデー制度が存在します。
これは「限りなく取得条件がカンタンな、1年間有効なビザ」で、その国で1年間働くも、留学するも、観光するも、ニートするも自由。
対象国は以下の26カ国で、EUが多いことが分かります。
■ヨーロッパ
イギリス、ドイツ、フランス、アイルランド、デンマーク、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スペイン、チェコ、アイスランド、リトアニア、スウェーデン
■北アメリカ
カナダ
■南アメリカ
チリ、アルゼンチン
■アジア
韓国、台湾、香港
■オセアニア
オーストラリア、ニュージーランド
ちなみに、EUはノービザで滞在できるのが90日まで。
91日以上の滞在には、やはり「婚姻」「留学」「就職」といった厳しい条件が課されます。また、ビザラン(他の国に一時的に出国し、すぐに戻ってくること)もできません。
でも、ワーキングホリデーを使えばイギリスでもフランスでも、ドイツでも北欧でも1年間滞在することは可能になるわけです。
31歳以上になってワーキングホリデーの権利を喪失すると、日本人がヨーロッパに移住するのはかなり難易度が高くなります。
だからこそ、ワーキングホリデーという”チート”とも言える権利を持っている20代こそ、それをフルで活かすために海外に積極的に出ていくほうがいいです。
20代の特権2:失うものも、責任もない
20代のうちは、失うものも責任もありません。
・会社なんてすぐに辞められる
・結婚している人も(比較的)少ない
・親の介護もまだまだ先
僕であればいま29歳で独身。
結婚相手もいなければ子供がいるわけでもないので、海外移住の決断も一瞬でした。
そもそも1年海外生活しようと思ったのも、友人が「バンコクで暮らしてみようかなぁ…」と冗談半分に話していたのを聞いたのがキッカケです。
また、歳を重ねると問題になってくる両親の問題。
僕の両親は今70歳近いですが、あと10年もすると2人とも健康そのもの…とは行かないと思っています。(もちろん、健康であってくれれば一番良いのですが)
その時、介護が必要になるかもしれません。
そうでなくても、徐々に体が弱ってきた両親を置いて海外で暮らすのはなかなかのハードルです。暮らす場所によっては、両親の葬式に間に合わないなんて可能性すらあるわけですし。
でも、20代のうちならさすがに両親も健康なことが多いですし、無責任に時間を使えるうちに海外移住してみるのは悪くないと思いませんか?
そして一番知っておいてもらいたいのは、会社を辞めるカンタンさ。
今の日本って一度会社を辞めたら人生終了みたいな風潮がありますが、別に就職先にこだらわなければ仕事なんていくらでもあるわけです。20代の若者なら特に。
仮に、明日上司に辞表を提出したとする。
そして海外移住して「やっぱり日本がいいな」と思えば日本で再就職すればいいだけの話です。とりあえず、野垂れ死にすることは絶対にありません。
それに、「いい会社」に入りたいとしても、それなら海外移住先でスキルを磨ける会社に入ったり、そうでなくても余暇時間にスキルを高めれば良い話です。
「大卒」「高卒」といったカードだけで勝負しようとすれば日本だと再就職は不利に働くものの、スキルさえあれば雇ってくれる企業はあります。というか、海外ほど実力主義なので能力さえあれば雇ってもらえやすくなります。
これは僕が自分に言い聞かせていることでもあるのですが、
「20代なんてのは、失うことを恐れるほど”持っていない”」
ということ。
会社だって数年勉強して手に入れた場に過ぎないし、貯金や年収だって実際には大したことない。なのに失うことを恐れて挑戦しないほどもったいない事はありません。
無責任さは、20代の特権です。
それが許されるうちに、一度海外に出てみましょう。
20代の特権3:健康な体がある
海外移住&海外旅行でなにが怖いかって、病気です。
日本だったらカゼをひいたらドラッグストアで気軽に薬を購入できるし、虫歯になれば歯医者さんに言ってすぐに治療をしてもらえます。
何より保険も効くので、海外ならカゼの治療だけで1万円くらいかかるところ、日本なら1000円2000円程度で済みますよね。
でも、海外だとまったく事情は異なります。
病院でもドラッグストアでも自分の症状を正しく伝えるのが難しく、治療を受けるハードルがめちゃくちゃ高いです。正しい診断をしてもらえない可能性もあるわけです。
また、治療費も日本の2倍3倍。
特に、日本語が通じる病院を探せばそれだけで料金が上がるので、カゼをひいて病院に行ったらそれだけで1万円以上取られるケースもあります。
何より、万が一入院が必要なほどの病気に海外でかかってしまったら?費用や言葉のハードルが高いのはもちろんですし、どれだけ不安になるか想像できますよね。
よく「老後は海外移住!」なんて言われますが、老後の海外移住ほどリスクの高いものはありません。病院にお世話になる年齢になって海外生活を始めるのはかなり無謀です。
でも、20代であればカゼや現地の病気、事故に遭遇した場合をのぞいて現地の病院でお世話になるようなケースはほぼありません。
健康な体があることは、それだけで海外移住のアドバンテージになります。
20代の若者こそ海外に出てほしい理由
理由1:最低限の生活を知っておく 理由2:日本人マインドブロックを捨てる 理由3:価値観を広げておく
僕が海外移住をすすめるのは
「日本以外でも、生きていける」
と知ってもらいたいからです。
1つの会社に依存するのが危険なのと同じで、「自分には日本しかない!」と1つの国家に依存して生きていくことほど危険なこともありません。
今の僕であれば「日本は故郷だけど、絶対に日本じゃないと生きられないわけじゃない」と思っているし、いざという時はいつでも本格的な海外移住する覚悟があります。
理由1:最低レベルの生活を体験しておく
僕はタイのバンコクに2ヶ月滞在して、
「1日100バーツ(350円)あれば生活できる」
と身を持って経験しています。
家賃だってそれなりレベルでいいなら月1万バーツ(35000円)で抑えることも可能だし、月10万円未満の収入でも生きていけることを理解しています。
「最低限、生きていけるだけのお金」を知っておくと、漠然とした将来の不安に怯えることもありません。僕であれば、最低限月収10万円を切らなければタイに移住して生きていけば良いわけですから。
今の日本経済に、漠然とした将来の不安を感じている人も多いと思います。
でも、「海外に出れば、とりあえず自分はこれだけの収入があれば生活できる」と知っておけばそれだけで不安も軽減されるので、自分の最低ラインを知るためにも海外に出ておくと良いです。
理由2:「日本人」マインドブロックを外す
「一生、日本だけで生きる」
僕はこの思考こそが危険だと思っています。
というのも、人生80年(僕が老人になるころには100年くらいまで伸びているかもしれません)の時代に1つの国が安定し続けている保証はどこにもないからです。
例えば経済。
経済は25年ごとに不景気と好景気を繰り返すと言われており、今の日本であれば不景気が30年以上続き、かつてないほど不景気が長引いています。
恐らく今後も景気回復することはなく、生活はさらに苦しくなり、最悪の場合ハイパーインフレ(生活破綻)も十分起こり得ると思っています。
また、現在は70年以上平和が続いていますが人類の歴史からすればほんの一瞬。
そうでなくても、古代ローマのようにインフラの劣化を直す資金すらなくなるかもしれません。今の豊かな生活が死ぬまで続く保証はどこにもないわけです。
その点、中国人の行動力はすごいですよね。
世界各地に中華街がありますが、あれは中国人が商売のために移住したり、戦火を逃れた結果。そして、海外で大きなお屋敷を立てて大成功したケースがいくつもあるわけです。
また、今も中国共産党に不信感を持てばあっと言う間に移住してしまう。たぶん中国人にとって「一生中国に住み続けなければいけない」とは思っていないと思うんです。
勘違いの無いように言うと、僕は別に日本を捨てろと言ってるわけではありません。
今でこそ海外移住を選択した僕ですが、このままずっと海外に移住することは考えていないですし、人生の大半を日本で過ごすだろうことは間違いないと思っています。
ただ、日本が深刻な問題に直面した時まで日本で過ごす必要はないとも思っています。
日本がハイパーインフレによってジンバブエ状態と化したり、そうでなくても「失われた30年」が日本でこれ以上続くなら、海外に出て外貨獲得したほうがプラスです。
そして、日本経済が立て直ってきたら再び日本に戻ってくればいい。
「日本は母国であっても、決して自分を縛る枷ではない」
ということ。
一度でも日本から出て海外で暮らした経験があると、「いざとなれば自分は日本じゃなくても暮らせる」という自信をつけられます。
理由3:価値観を広げておく
海外で価値観変わった!なんて聞いた事がありますよね。
よく「少し海外に出るだけで価値観変わる薄っぺらいやつwww」なんてバカにされたりしますが、日本と違う人、文化、宗教を見て何も感じないワケがありません。
オーストリアに行けば土日は大半のお店が休むし、コンビニもないし全然便利じゃない。
マレーシアは民族対立、タイは高齢化など海外にも問題点はたくさんある。
フィリピンはストリートチルドレンが多く、小さな子供が排気ガスにまみれて眠ってる。
こういった「日本では分からないこと」が海外に出ると次々目に入ってきます。
日本と比べて良いと感じる部分もあれば、いかに日本が恵まれているか感じる部分まで。日本と異なる体験をして価値観が何も変わらないなら、もはや感性が死んでます。
もっとも、
「じゃあ、海外と日本の差について知ってなにか意味があるか?」
と言われると微妙なところがあります。
具体的に「こう役に立つ」とは言えないし、間違いないのは海外移住者が少ない日本人のなかでは、海外生活の経験があるだけで話のネタに困らなくなるくらいでしょうか。
ただ同時に、経験の差こそが視点の差を生み出します。
日本だけで生きてきたら、思考や経験は他の日本人とある程度似通ってきます。だから海外に行ってお店のスタッフがダラダラしてるのを見ると衝撃を受けるわけです。
けど、海外に行けば手っ取り早く他の日本人と違う経験ができる。
若い時に視野を広げておけば、その経験を人生で活かせるタイミングが増えます。だからこそ、若い時に1度は海外に出てみるべきということですね。
海外旅行や移住に「崇高な目的」を求める必要はない 僕はこれまで20カ国以上旅してきましたが、 「よし、価値観を変えてやるぞ!」 と意気込んだ事は一度もありません。 あくまで普通に旅行&プチ移住して楽しむことが最優先で、価値観を変えなければいけないといった使命感なんてもっていないです。 旅行先、移住先での生活を楽しんでいれば自然と日本との違いや、日本にいる時に気づかなかった問題点や良さが見えてきます。価値観を変えるのはそれだけで十分ですね。
後悔だけはしてはいけない
人間は
「やりたいのに、やれなかった」
ことを後悔する生き物です。
もしあなたが「一度海外移住してみたい」という憧れを持っているとします。けど、会社を辞める一歩が踏み出せなかったり、漠然とした不安で移住を諦めてしまったとする。
すると残るのは、「あの時チャレンジしておけば…」という後悔。そしてそれは、自分の海外移住を妨げた会社や日本社会に対しての”恨み”に変わります。
反対に、失敗してもチャレンジしたほうが後悔は小さい。
お話してきたように、20代の若者なら今海外移住しても失うものは最小限で済みます。そもそも、ワーホリビザという強力な武器は20代までしか使えません。
気持ちさえあれば海外移住って決して難しくないですし、ぜひ憧れている国などあれば、今日から移住計画を立ててみてください。
