あれは2018年の5月くらいのこと。
起業家仲間のじゅんさんからこんなメッセージが届きました。

ハワイに行こう!そしてフルマラソンに出ようという突拍子もないお誘い。
フルマラソンどころかフリーランスになってから、まともに家すら出なくなった僕にはムリムリ…と思うのが普通なのですが、なぜかこのときは快く返事をしてしまいました。しかも今見直してみると、「ちょうど出てみたかった」みたいな事まで言ってやがる。
この軽率な発言により、2018年12月のホノルルマラソン出場が決定しました。
ここでNOと言っておけば、後になってからあれほど苦しまずに済んだのに…マラソン初心者がたった2ヶ月の練習でどこまでホノルルマラソンで戦えるのかを体験してきたので、ホノルルマラソンに興味がある人はぜひ参考にしてみてください。
ちなみに、ハワイの旅行記はこちら。
夢の島ハワイ10日間の旅!人生初のビジネスクラスやヒルトン宿泊旅行記
目次
9月末から練習を始める
僕のホノルルマラソンへの出場が決まったのが2018年5月。
つまり普通に考えれば半年以上練習する期間があったのですが、まだ余裕があると思うと行動しないのが人の常で、なんだかんだ練習し始めたのは9月末になってから。まあ、中高と陸上部(短距離)だったので、なんとかなるだろうという気持ちもあったんですよね。
そして記念すべき第一回目の練習。
順調に走り始め、5分で腰が痛くなって練習中断となりました。
今までの人生で走って腰が痛くなることなんてなかったのに…いったい僕の体に何が起きているんだ。これは本格的に走り込みをしないとマズいと思い、ジムのランニングマシンで毎日のように1時間走る日々を続けました。
着実に1時間で走れる距離が伸びていきます。
はじめて時速9キロで1時間ランを完走。
このペースであと4回走らないとホノルルマラソンを
5時間以内に完走できない恐ろしさ。体力もだけど、ホントに気力の勝負な気がする。#ホノルルマラソン#ランニング pic.twitter.com/6OUklWGq4R
— なるひこ@旅人社長 (@naruhiko111111) 2018年10月18日
これはなんとかなるか?
と自信をつけそろそろ路上で走る練習を始めようと思った頃、北海道では雪が降り出しました。2018年の8月に北海道へ引っ越したばかりの僕に雪の上を転ばず走る自信はないので、結局ジムでも路上でも走れない日々が続きます。
そして気づけばもうホノルルマラソンまで1週間しかない!
多少道が凍っていようが走るしかない!と決めて札幌を10キロ走ってみる。とりあえず10キロ走った段階では体力的にも体の状態的にもキツイ感じではなかったので、あとはぶっつけ本番で自分の覚醒に期待するしかありません。
しっかりとサイズ測定もしてもらってシューズを買い。
ホノルルマラソン用に足のサイズを測定してもらってシューズ購入!
これ無料でやってくれるとかすごい。#ホノルルマラソン pic.twitter.com/awCHXMekvj
— なるひこ@旅人社長 (@naruhiko111111) 2018年11月18日
あとはホノルルマラソン当日のコンディションに賭けるのみ!
サブ5(5時間切り)を目標に掲げながら練習の時点で相当グダグダではありますが…これ同じ2ヶ月感の練習期間にしても、練習のやり方しだいでだいぶ結果も変わったんじゃなかろうか?
ホノルルマラソン体験記
いよいよホノルルマラソンスタート!
ホノルルマラソンのスタートはなんと朝5時。
朝食の消化時間も考えると朝3時には起きていなければいけない超ハードスケジュールです。
そんな時間スタートにも関わらず、道には人、人、人。
おまけに半分くらいが日本人で、本当にハワイか?と思うくらい日本語が飛び交っています。スタート前になると道は参加者で溢れ、お正月の伊勢神宮くらい人で埋め尽くされていました。
さすが4万人近い人が参加するだけある。
そして、朝5時。
朝5時にも関わらず花火が続々と打ち上がり、なんのイベントだと言いたくなる雰囲気のうちにホノルルマラソンはスタートしました。地元住民にはさぞかし迷惑…と思いきや朝5時から道端に出て応援している人もいて、まさにお祭りです。
スタート~17キロ:サブ5ペースで順調に足を進める
最初の17キロは正直楽勝でした。
ホノルルマラソンはアップダウンが多いと聞いていたので、大半が上りor下りかと思いきや、坂道エリアなのはダイヤモンドヘッド周辺の5キロくらい。おかげでダイヤモンドヘッドを超えた時点でも割とスイスイ進めます。
この時17キロ時点でタイムはちょうど2時間くらい。
このペースを続ければギリギリ5時間くらいでゴールできるタイムなので、出だしは上々でした。それに割と良いペースで走ることができたせいか、13キロ地点でスペシャルゲストの元AKB48渡辺麻友が応援してるところも見ることができました。
(ただ、渡辺麻友の顔を分かってなかったせいで、「なんかカメラに囲まれてる人おるな」くらいにしか思わず、ほぼ素通りしてしまったのが少し悔やまれるところではありますが…)
おっ、これ割といけるんじゃないか?
このときの僕はまだ希望を持っていました…
30キロまで:歩いて走ってを繰り返す時間帯
僕の失速の原因を挙げるなら、トイレに行ったことでしょう。
ホノルルマラソンでは道端のいたるところに仮設トイレが設置されているのでトイレに困る事はないのですが、トイレに行くということは当然足を止めるということでもあります。タイムも遅くなる代わりに休憩できてちょうどいい…
と思いきや、これが致命傷になりました。
よく雪山で眠ったら死ぬと言われますが、フルマラソン中に一回足を止めるとマジで体が死にます。休憩できるしちょうどいいじゃん、なんてのは浅はかな僕のような人間が考えることであって、フルマラソン中は何があっても足を止めてはいけません。
ここから一気に足が重くなり、18キロ地点くらいで歩き始めてしまう僕。
そして一旦歩き始めると完全に悪循環にハマり、一時的な休憩のつもりでも疲労感は溜まっていく一方、再び走り出しても今までのような走りどころか、延々と続く平坦な道ですら1キロ連続で走ることができない有様に。
走る→歩く→走る→歩くという終わりのないループを繰り返すも、今までに比べて全く進んでる感じがしない。スラムダンクの田岡監督が「上手くいかなくなると疲労が2倍3倍になって襲いかかってくる」みたいな事を言っていましたが、まさにそんな感じ。
※歩き始めたせいか、このあたりから写真が増えていく
おまけに、シューズが合わないのか足の先(特に小指)が痛い。
あまりにも痛いせいでフルマラソンで靴を脱いで歩くというわけの分からない事をする状況。ホノルルマラソンってちょこちょこ街道で応援してくれる地元民がいるのですが、シューズを両手でブラブラさせて靴下で歩く日本人の姿は一体どう写ったことでしょう。
ちなみにホノルルマラソンって名前だけ聞くと、さぞ美しい海沿いを走るようなイメージかもしれませんが、海沿いを走るのは最初の数キロで、あとはひたすら山側の景色が続きます。
40キロまで:時間が経てども距離が縮まらない絶望
30キロを超えた頃には、もはや走るのも不可能に。
走るのは完全に諦め、歩いてゴールする事を決めました。
そして歩いていると、悲しいことに序盤で抜いた人たちに抜き返されていく。
悟空の道着着た人、ウエディングドレス着た女性、10歳くらいの小さい子供、つつけば崩れそうなのに安定して走り続けるおじいちゃん…1分ごとに自分の世界ランクが下がっていく感じが余計にモチベーションを落としていきます。
っていうか、フルマラソン走り切る子供ってなんやねん。
この時点で僕の体力はもう赤ライフなので、あとは精神力の勝負です。
ひたすら前だけを見て、痛みで痺れてきた足の指先がどうなってるのか気になりつつ、足が動かないぶん全力で腕を振り、その両手の先にはシューズを持ち…これをマラソンと呼んでも良いのか疑わしいところではありますが1歩1歩前に進むしかありません。
あと、このあたりまで来ると道端からの声援がありがたい。
※このあたりになると僕と同じようにひたすら歩くだけの人が増えていきます。
ゴールまで:もはや気力だけで体を動かしゴールへ
残り40キロも近づいてきた地点で、同じグループの友人2人と合流しました。
この2人には20キロ地点で抜かされていたので、追いつくことができたのは地味に嬉しい。シューズを両手に持って腕を大きく振りながら歩いてきた甲斐があったというものです。この時点でタイムはすでに6時間オーバー。
あと2キロくらいになると、周りの参加者は一斉に走り出します。
ちょうどダイヤモンドヘッド(要は上り坂下り坂)にも関わらず、最後の力を振り絞って走る参加者たち。その一方で僕らはもう精根尽き果てていたので、引き続きマイペースに歩き続ける事を決意しました。もうタイムの問題じゃないんです。完走できるかどうかなんです。
ダイヤモンドヘッドから海を眺めつつ
「そういえば、ハワイ来てまだ一回もワイキキビーチ行ってないなぁ…」
なんて自分の不毛なハワイ生活を反省しつつ歩き続け、やっとのことで42キロ地点到達!
この地点になるとさすがに他の参加者はみんな走り出しており、僕らも最後の力を振り絞ってラストスパートをかけても良い頃です。道端ですでにゴールした人も暖かい声援を送ってくれているし、これはもう行くしかありません。
A「あと195mだし走る?」
B「いや、止めときましょう」
C「残り50mくらいからで」
もはや参加者全員がラストスパートで最後の力を振り絞っている中、僕らはそのまま歩き続ける事を決意しました。いや、数字で見たら195mなんてただの端数ですけど、フルマラソンの最後の195mは元気なときに1.95キロ走るくらいの重さがあります。
そして、無事にゴール!
タイムは6時間33分で、どの口が5時間切りを目指すとか言ってたんだという話ではありますが、ゴールすることに価値があるんです。(強調)
「人間の歩くスピードが時速6キロなんだから、時速6キロ×7時間=42キロでどんなに遅くても7時間あれば余裕じゃん」と言っていた時期もあった気がしますが、ゴールすることが大事なんです。
ちゃんとホノルルマラソン完走の証であるメダルもゲットしました。
延長戦:ゴールからホテルまで地獄の3キロ
ホノルルマラソンはスタートとゴールの位置が違う。
地図を見ると分かる通り、ゴールからホテルまで3キロくらい離れている。歩いて33分。
しかし、である。
あくまでこれは健常者が歩いた場合の時間で、ホノルルマラソンを完走して今にも死にそうな僕ではそうはいかない。ムダな交通費は使わない、がモットーの僕としてはタクシーはあまり好きではないのですが、今回ばかりはタクシーを利用せざるをえません。
ただ、考えることはみんな同じ。
参加者同士でタクシーを奪い合いタクシーが捕まらない。
と言っても、そこは用意周到な僕である。
タクシーが使えないならUBER(ウーバー)を使えばいいじゃない。ということで事前に準備していました。UBERは海外メインの個人タクシーで、配車も目的地入力もアプリでできる、面倒なやり取りが一切必要ない便利なアプリです。
UBERで検索してみたところ…よし!近くにタクシーがいる!
文明の利器って素晴らしいと思いつつタクシーを待つものの、一向にタクシーが来る気配がない。
それどころか、
「お前、いまどこにいんの?(意訳)」
的なメッセージが。
「いやいや、現在地発信してるんだから分かるやろ」と思いつつ、「バス停の近く」とメッセージを送ったものの…なぜかメッセージが入力できない。UBERアプリとスマホの相性が悪いのか、文字を打ってもすぐ消える。
その間も
「どのバス停の近くだ?」
「電話よこせ」
「場所を教えてくれ」
と連絡が来るものの、何故かたまにしかメッセージが入力できない。
おまけにUBERアプリを初めて使ったせいもあり、そもそもメッセージ画面の開き方が分からない。相手からメッセージが来るとリンクが出てくるので分かりやすいのですが、一旦それを閉じてしまうとどうやってメッセージを出すのかわからん。
それに海外で電話できるわけないやんけ。
そんな事をして無駄に格闘している間に、
「お前見つけられないからキャンセルしてくれ」
というメッセージが。
正直僕ももう面倒になっていたのでキャンセル。
…東南アジア版のUBERであるGRABというアプリでは今まで一度も問題は起きなかったのですが、どうやら僕にはUBERは合わなかったようです。おまけに、ちゃっかりキャンセル料だけは取られてるやるせなさ。
もう1度UBERを使おうなんて気も起きず、結局ホテルまで歩く事にしました。
この延長戦のキツイこと…元気なときなら3キロくらい平気で歩くのに、このときは一歩一歩踏み出すために全身にダメージが入るし、まともに1キロ歩き続けることもできず、お年寄りのように何度も道端に座り込みながらの牛歩前進。
「まずは自分に余裕がないと他人に余裕を持って接することができない」
とは僕の持論ですが、このときは通行人が通るたびに「こいつら何で楽しそうに歩いてやがんだ」と思っていたので、いかにこの時僕の心が荒み、疲れ切っていたのかが分かります。
後で知ったことですが、ホノルルマラソンのゴールであるカラカウア公園からはTHE BUSという連絡バスが出ているので、ホテルの場所にもよりますがバスに乗れば歩かなくてもホテルに帰れます。(しかも3ドル以下)
ホノルルマラソンの敗因
当初の目標だった5時間切りどころか、余裕だとナメ腐っていた7時間を目前にようやくゴールできた僕。今回のホノルルマラソンとの戦いは完全敗北となりました。
ただ、もしかしたら今後僕と同じようにフルマラソンにチャレンジされる方がいるかもしれないですし。万が一、万が一僕がもう1度フルマラソンにチャレンジしたいと思ったときのために、今回の敗因と改善ポイントを記しておきます。
柔軟&筋トレ>>>走り込み
今回のホノルルマラソン最大の敗因は足の痛みです。
僕の場合はヒザが一番最初にダメージを受けたのですが、一旦脚が痛くなるとマラソン中に回復することはないし、限界を超えるとそこから歩くしかなくなります。
脚を負傷した状態で10キロ20キロ歩くだけでもキツイのですが、走る場合と違ってかなり時間もかかるのでタイムも大幅に遅れる。何より所要時間が長すぎてヒマというか、精神的にキツくなってきます。
だからフルマラソンにおいて走るスピードなんて関係なくて、大事なのはとにかく脚を痛めないこと。たとえペースはそれほど早くなくても、一定のスピードで走り続けられれば確実に僕よりも早くゴールできます。
実際、僕も前半21キロのペースで言えば5時間ギリギリくらいで走ることができていましたし、フルマラソンでは脚を痛めず最後まで走り切ることが何よりも重要です。
そのために、筋トレと柔軟をしっかりやれということですね。
走り込みのほうが「練習した感」がありますが、走り込んで少しくらいペースを上げるより、40キロ故障しない体づくりをするほうが遥かにタイムに貢献します。やはり物事は基礎が大事ということですね。
本番前に30キロとか走っておこう
ホノルルマラソンをはじめとするフルマラソンでは42.195kmを走るわけですから、ぶっつけ本番でそんなに長い距離を走ろうとしてもムリがあるわけです。
ちなみに、僕が本番前に走った一番長い距離は10キロ。
最長10キロしか走ったことがない分際でよくホノルルマラソンに出たなという話ではありますが、当たり前ですが10キロと40キロではまるで違うし、せめて本番の1ヶ月前とかに30キロなり40キロくらい走ってみたほうが良いです。
いつもより長く走ることで「この距離までは走れる」と自信をつけることもできるし、実際に30キロ40キロ走ることで自分の体にどのような異変が起きるのかも把握できます。
例えば僕だったら20キロくらいでヒザが痛くなるとか。
あとは今回買ったばかりのシューズでいきなりフルマラソンデビューしたのですが、シューズで指先が圧迫されて靴履いてるのも痛いレベルになるとか。
ぶっつけ本番でなんとかなるだろ!
というのは自信ではなく単なる逃げなので、僕と同じ過ちを繰り返さないためにも、本番の1ヶ月くらい前には30キロなり40キロなりを体験してみると良いです。
3ヶ月あればサブ5行ける気がする
サブ5どころか6時間33分というタイムを出しておいて何を言うんだという話ではありますが、フルマラソン初心者さんでも3ヶ月くらい前から練習すればホノルルマラソンで5時間切りは行ける気がします。足にダメージが無かった前半はサブ5のペースで走る事ができていましたし。
ただ、僕のように走り込みで自己満足的な練習をするのではなく、走り込みをしつつ足の筋トレと柔軟に力を入れて、40キロ走っても壊れない体を作ったほうが良いです。止まらずに走れる体の丈夫ささえあれば、5時間も結構狙えるはずです。
(いや、そもそも余裕を持って練習しておけという話ではありますが)
今のところもう1度ホノルルマラソンに出場したいとは思わないですが、1度フルマラソンを走ったのは良い経験だったかもしれません。
運動習慣をつける(そして痩せる!)良いきっかけにもなりましたし、何より自分との戦いであるフルマラソンを走ることで、間違いなく精神力が鍛えられた気がしますね。
なぜ、20人もの大所帯でホノルルマラソンに出られるのか
今回は、20人ほどでホノルルマラソンに出場しました。
みんなで1週間以上ホノルルを満喫してきたわけですが、普通の会社員では12月の忙しい時期に、1週間も続けて休みを取ることって難しいと思います。
実は、僕らはどんな場所でも仕事ができます。
たとえホノルルにいようと、家で寝ていようと収入が自動で入ってくる仕組みを持っています。そして、今や会社員であってもこの仕組みを持っている人は急増しています。
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